1. 四元歯科(鹿児島市)
  2. 歯科座学

歯科座学 288 口腔外科 30

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 30についてです。

口腔乾燥症について。

口の中が渇く(口渇といいます)のは、水分の摂取量が少なかったり、急激に多量の水分が失われた時(たとえば激しい運動時)に生じます。

慢性的に水分の摂取量の不足が続く場合は、全身的な疾患や何か重大な障害(たとえば腫瘍による嚥下困難)が考えられます。大量に水分を喪失する場合としては、高熱による多量の発汗や糖尿病による多尿など、原因となる重大な疾患があり、脱水の結果として口渇が生じます。

抗ヒスタミン薬や制酸薬(せいさんやく)、降圧薬(こうあつざい)や向精神薬(こうせいしんやく)の服用でも唾液分泌は少なくなります。

口腔がんや咽頭がんなどの放射線治療後では顕著な唾液分泌現象がおこることがあります。
鼻づまりによる口呼吸(こうこきゅう)は口腔粘膜の乾燥を促し、義歯が唾液の分泌を抑制する場合もあります。
また、シェーグレン症候群でも、唾液腺の分泌機能が著しく障害されるために口腔の乾燥(口腔乾燥症)がみられます。この病気では、同時に涙の分泌量も減少し、目の乾燥もみられます(「唾液腺の疾患」の項の「シェーグレン症候群」をご覧下さい)。

治療
シュガーレスガム、レモンなど唾液分泌を促進させるものを摂取する、人工唾液で唾液を補充するなどの対症療法が効果的です。近年、シェーグレン症候群による口腔乾燥に対しては唾液分泌を促進させる薬剤である塩酸セビメリンや塩酸ピロカルピンが開発され、高い効果を認めています。
また、巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)や鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)など、全身性疾患の部分症状として、萎縮性の舌炎とともに口渇がみられる場合があります。このような場合は、原因疾患に対しての治療が必要になります。

では、本日の歯科座学でした。


歯科座学 287 口腔外科 29

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 29についてです。

扁平苔癬について。

皮膚や粘膜にできる角化性で炎症をともなう難治性の病変です。口腔では頬粘膜に多く認めますが、舌や口唇にも生じます。白い粘膜の角化(かっか)がレース状にみられ、周囲に発赤を伴うのが特徴です。しばしば、びらんや潰瘍を形成し、接触痛を認めたり、食物がしみたりします。まれにがん化することもあります。

【原因】

アレルギー、とくに歯科用金属によるものや遺伝的素因、自己免疫疾患、ストレスなどの精神的因子、さらに代謝障害などの関与が考えられていますが、正確な原因は不明です。

治療
局所的には、うがい薬や副腎皮質ステロイド薬を含む軟膏を使います。歯科用金属によるアレルギーが疑われる場合は、原因と思われる充填物(つめもの)や冠(かぶせもの)を除去する必要があります。これらを除去する前に、歯科用の金属アレルギー検査を行います。

では、本日の歯科座学でした。


歯科座学 286 口腔外科 28

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 28についてです。

再発性アフタとは。

アフタは直径数ミリ大の円形の浅い潰瘍で、潰瘍の表面は灰白色~黄白色の偽膜で覆われ、潰瘍の周囲は赤くなっています。食物や歯ブラシなどがちょっと触れただけもズキッとした強い痛みを覚えます。また刺激性の食物や熱いもの、塩辛いものがしみたりします。アフタは何もしなくても1~2週間で治ります。アフタが再発を繰り返す場合に再発性アフタといいます。 なお、慢性再発性アフタはベーチェット病の一症状として生じることもあります。

【原因】

原因は不明です。機械的刺激、遺伝性、極端な疲労、ストレス、あるいは片寄った栄養摂取などいろいろな要素が絡み合って発症するといわれます。ベーチェット病では遺伝的素因が注目されています。

治療
副腎皮質ステロイド薬入り軟膏や口腔粘膜貼付錠、うがい薬を投与しますが、時に内服薬を用います。

では、本日の歯科座学でした。


歯科座学 285 口腔外科 27

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 27についてです。

口腔カンジダ症について

おもにカンジダ・アルビカンスという真菌によっておこる口腔感染症です。急性型と慢性型があります。口腔粘膜の痛みや味覚障害が出ることもあります。

急性型である偽膜性カンジダ症は灰白色あるいは乳白色の点状、線状、あるいは斑紋状の白苔が粘膜表面に付着しています。この白苔をガーゼなどでぬぐうと剥離可能ですが、剥離後の粘膜面は発赤やびらんを呈しています。白苔が認められない萎縮性(いしゅくせい)あるいは紅斑性(こうはんせい)カンジダ症は舌乳頭の萎縮や粘膜の紅斑が特徴で、偽膜性よりもヒリヒリとした痛みが強くなります。口角の発赤、びらん、亀裂を認める口角炎もカンジダが原因になっていることが多くあります(カンジダ性口角炎)。病変が慢性に経過した肥厚性(ひこうせい)カンジダ症では、白苔は剥離しにくく、上皮の肥厚を伴うようになります。

【原因】

カンジダ菌は口腔内の常在菌の一種で、普段はある程度以上は菌数が増えないように他の菌と共存しています。しかし、副腎皮質ステロイド薬の投与や糖尿病、全身衰弱などによって免疫力が低下している状態、唾液量の減少、長期間にわたる抗菌薬の服用などにより、常在菌間のバランスが崩れ、カンジダ菌が異常に増殖し、病原性を発揮することにより発症します。

治療
口腔内の清掃、抗真菌薬を含むうがい薬や塗り薬を使用しますが、時に抗真菌薬の内服を必要とすることもあります。

では、本日に歯科座学でした。


歯科座学 284 口腔外科 26

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 26についてです。

紅板症について。

紅色肥厚症ともいわれ、舌、歯肉、その他の口腔粘膜に発生します。鮮紅色でビロード状、表面は平滑な病変です。境界は明瞭なものが多くみられます。初発症状として多くの症例で刺激痛が認められます。一般的に50歳代以上の高齢者が全体の80%を占めています。

紅板症の50%前後が悪性化するといわれています。

治療
外科的に切除するのが望ましいとされています。悪性化する可能性が高いため、治療後にも経過観察を行う必要があります。

では、本日の歯科座学でした。


エントリーリスト

© 医療法人 寿洋会 四元歯科 All Right Reserved.