唾液が多い・増えたと感じたら 分泌が増える理由と病気について
唾液(ツバ)にはむし歯を予防するなどの良い効果が多くあります。
この唾液の量が最近「ちょっと増えたかも?」と感じる人はいませんか?
唾液の増加はほとんどの場合異常なものではないのですが病気のサインである時もあるので注意が必要な場合があります。
そもそも唾液の量はどのように決まっているのか?
唾液は食べ物の飲み込みを助けてくれたり、歯を虫歯から守ってくれたりと様々な役割を担っています。「唾液が多いほど長生きする」と言われるほどの健康効果を持っている唾液ですが、適正な唾液量とはどのくらいなのでしょうか?
唾液は、①耳下腺②顎下腺③舌下腺の3つの唾液腺から分泌されます。健康な方で1日に1〜1.5リットル分泌されています。さらに唾液は「安静時唾液」と「刺激時唾液」に分けられます。何もしていなくても常に口の中に流れているのが「安静時唾液」であり、食べ物を食べたりおしゃべりしたりして、お口を動かすと出てくる唾液は「刺激時唾液」に該当します。
3つの唾液腺から出てくる唾液を合わせて、健康な方では1日に1〜1.5リットルもの唾液が分泌され続けています。
<span class="line"><strong>唾液の量は個人差があり、一般的に若い人ほど量が多く、年齢があがるほど減少していく傾向にあります。</strong></span>ストレスや糖尿病のような病気の影響でも減少します。
唾液が増える病気とは?
唾液は多いほど良いかというと、一概にそうは言えません。唾液を飲み込む回数も多いので、会話がしづらいと感じたり、飲み込み続けることで気持ち悪くなったりしてしまう方もいらっしゃいます。
体質ではなく、病気が原因で唾液の量が増えることがあります。唾液が無意識にお口の外に流れ出てしまうという症状にお悩みの方の場合、原因は主に2つ考えられます。
①唾液分泌過多
唾液そのものの量が増える。妊娠時につわりや胃の張りなどで刺激されておこります。
②嚥下(えんげ)障害
健康なお口の状態だとお口の中に唾液がたまると自然にのみ込んでくれます。
この、のみ込む働きに障害が起きると、唾液がうまくのみ込めなくなるので唾液の量が増えたと感じるようになります。
口腔虚弱の可能性も
口腔(オーラル)の虚弱(フレイル)「オーラルフレイル」という言葉を耳にしたことはありませんか?
<span class="color-red"><strong>オーラルフレイルの症状は老化のはじまりのサイン</strong></span>とも言われています。
その症状には “口腔乾燥”、“唾液過多”、“活舌低下”、“食べこぼし”があります。
唾液過多になるとお口の中にねばねばしたツバが出てきて食事がしづらくなってしまいます。
オーラルフレイルになるとやわらかい食事ばかりになり、噛む筋力がさらに低下していき、噛む力がどんどん衰える悪循環になります。
結果的に食欲低下、全身機能の低下へ進み要介護へとつながる可能性があると言われています。
<span class="line"></span><span class="line">セルフチェック!唾液過多になっていませんか?</span>
ご自身の唾液の量が適正なのか、ご自宅で簡単に調べる方法があります。
用意するものはガムです(メントールや刺激物の入っているものは避けましょう)。椅子に腰掛け、10分間ガムを噛み続けます。10分後、10ml以上の唾液を採取することができれば問題はありません。極端に多い・少ない場合は専門機関でより正確に検査を行うことも検討しましょう。
ちなみにこのガムを使った唾液検査は歯科医院で受診することが可能です。歯科医院の唾液検査なら、唾液の量だけでなく唾液中の細菌の数や酸性度など成分を詳しく分析することができます。虫歯や歯周病のリスクなども判定できるので、オススメの検査です。
どうしても気になる方へ
唾液の量が増えたと感じて病気なのか気になる場合は歯科医院で相談することをお勧めします。
また、うまく唾液がのみ込めないなど嚥下障害かもしれないときは、専門の検査をしている医院もあるので相談してみましょう。
普段と違う症状を放置せずに、気になった時に受診をして、歯とお口、体全体の健康を守っていきましょう。
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