顎・口腔領域の化膿性炎症疾患①
鹿児島市四元歯科 鈴木です。
前回までは口腔粘膜の病変でしたが、今回からは顎・口腔領域の化膿性炎症疾患になります。
▽炎症とは
起炎刺激因子やそれによって生じる障害組織に対する生体の防御的・修復的局所反応です。
▽歯周組織の炎症
1.智歯周囲炎
智歯(親知らず)の解剖学的な萌出部位不足、萌出方向異常および萌出位置異常により、深いポケットを形成し、細菌感染により歯冠周囲に慢性炎症が起こります。ときとして急性炎症に転化します。主に下顎智歯に起こります。
❶症状⇒智歯周囲の歯肉に発赤、腫脹、自発痛、圧痛がみられます。炎症が進むとポケットからの排膿、周囲軟化組織の腫脹、開口障害、嚥下痛、顎下リンパ節の腫脹、硬結などが認められるようになり、全身倦怠感、37~8℃の発熱がみられます。
❷治療⇒炎症が軽度な場合にはポケットを洗浄し、ポピドンヨードなどによるうがいをします。炎症が進展し潰瘍形成がみられる場合には腫瘍切開を行い、抗菌薬を投与します。
正常萌出が見込めない智歯は消炎後抜歯します。正常萌出が見込まれ、正しい咬合関係が保たれる場合には被覆粘膜弁の切開を行い、正常萌出をはかります。抜歯や粘膜弁切除が行われずに放置されると慢性化し炎症を繰り返します。