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口腔粘膜の病変㉗

鹿児島市四元歯科 鈴木です。

口腔粘膜の病変 今回からは「口腔の乾燥を主徴とする疾患」です。

▼シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は、唾液腺や涙腺などの外分泌腺がリンパ球浸潤を伴って特異的に障害される自己免疫疾患で、50歳以降の女性に多いです。
①口腔乾燥(ドライマウス)、②眼の乾燥(ドライアイ)を主症状とし、③関節リウマチ、④全身性エリテマトーデス(SLE)、⑤強皮症、⑥多発性筋炎などの全身性病変を発症します。口腔乾燥が著明になると粘膜痛や摂食・嚥下、会話が困難になります。また味覚も障害されます。十分なケアを行わないと、虫歯や歯周病が悪化したり、義歯が使用できなくなります。わが国では約50~100万人の患者がいるといわれ、決してまれな疾患ではありません。

①診断
口腔乾燥症としての診断方法が確立されている唯一の疾患です。
口腔の検査では。①刺激時唾液分泌試験(ガム試験あるいはサクソン試験)、②口唇腺生検、③唾液腺造影エックス線検査、④唾液腺シンチグラフィー、⑤MRI検査が行われます。
眼の検査では、涙液量測定(シルマー試験)、ローズベンガル試験、蛍光色素試験が行われ、血清学的検査では抗Ro/SS-A抗体と抗La/SS-B抗体の測定を行います。

②治療
根治的治療はありません。口腔乾燥症状に対しては塩酸セビメリン(サリグレン®およびエボザック®)と塩酸ピロカルビン(サラジェン®)が保険適応となっています。対症療法ではリンスタイプやゼリータイプなど各種粘膜保湿剤があり、有効です。

※抗Ro/SS-A抗体、抗La/SS-B抗体
シェーグレン症候群の患者の血液中によくみられる自己抗体です。これらはシェーグレン症候群の場合に陽性を示すことが多いため、診断基準としてつかわれます。

※ピロカルビンの効果
医薬品としては塩酸ピロカルビン(サラジェン錠®)として使用されています。唾液腺、涙腺、汗腺からの分泌を促進させます。シェーグレン症候群や頭頸部がんの放射線治療による口腔乾燥に有効です。唾液や涙が増加するだけでなく、脱水にも注意しなければなりません。


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