口腔粘膜の病変㉕
鹿児島市四元歯科 鈴木です。
口腔粘膜の病変 今回からは「粘膜の萎縮を主徴とする疾患」についてです。
▼ハンター舌炎
巨赤芽球性貧血(悪性貧血)の口腔症状です。舌乳頭の萎縮が著明で平滑舌となり、これをハンター(Hunter)舌炎といいます。この結果、舌の灼熱感、異常感覚、味覚異常を認めます。舌以外の口腔粘膜にも萎縮が認められます。また胃腸粘膜も萎縮し、食欲不振、胃部不快感、悪心などが起こります。
巨赤芽球性貧血は赤血球のDNA合成障害で骨髄造血細胞に変化を起こす大球性貧血です。ビタミンB12の吸収障害、葉酸欠乏があります。
①診断
❶血液検査で大球性貧血(MCVが正常値101より大となる)、❷血清葉酸値、血清ビタミンB12値の低下
②治療
全身的にはビタミンB12の筋肉注射、葉酸、鉄剤、ビタミンB6・Cの投与、ビタミンB12は動物性食品(肉・魚・卵・牛乳など)にしか含まれないので菜食主義者は注意を要します。
口腔症状に対しては、❶粘膜を傷つける歯の鋭縁や歯石などの刺激を除去する、❷粘膜保湿剤を投与し、粘膜表面の湿潤を維持して刺激を受けにくくする、❸食べやすい食事にする
※MCV(平均赤血球容積)
基準値は80~100fLで、基準値より大きい場合を大球性貧血、小さい場合を小球性貧血、基準値内を正球性貧血といいます。