口腔粘膜の病変⑲
鹿児島市四元歯科 鈴木です。
口腔粘膜の病変 白斑を主徴とする疾患の続きです。
▼口腔カンジダ症
カンジダ菌によって引き起こされる日和見感染症です。要介護高齢者など口腔清掃がうまくできない方に好発します。
発生の誘因として悪性腫瘍、血液疾患、結核、糖尿病などの基礎疾患の存在がありますが、抗菌薬の長期投与による菌交代現象も多いです。ステロイド含有口腔用軟膏や貼付薬の長期投与、気管支ぜんそく患者の吸入ステロイド薬使用で頻発します。
最近ではエイズの早期にみられる口腔症状として注目されています。
▽分類と症状
口腔カンジダ症には以下の4つがあり、検査に基づく診断と治療が必要です。
①偽膜性カンジダ症⇒点状の白苔が帯状に拡大し、剥離されやすく、剥離されると出血します。白板症との鑑別にも使用されます。
②紅斑性あるいは萎縮性カンジダ症⇒慢性の場合、義歯性口内炎ともよばれ、義歯床下粘膜に生じます。多くは無症状ですが、ときに患部の浮腫や疼痛を訴えます。急性の場合は、抗菌薬やステロイド薬などの長期投与により発症します。舌にも好発し、紅斑や疼痛が見られます。
③肥厚性カンジダ症⇒厚くなった白色偽膜が粘膜表層に固着して粘膜上皮層の肥厚と角化亢進を示します。外用抗真菌薬深部に浸透せず無効なので抗真菌薬の全身的投与を行います。
④カンジダ性口角炎⇒高齢者に多く、口角部の粘膜と皮膚にできた亀裂部にカンジダ菌が増殖します。
▽診断
カンジダ特異性蛍光染料(ファンギフローラY)を使用した直接鏡検で、菌糸の確認が短時間で行えます。そのほか、培養による菌種同定を行います。いずれにしろ臨床診断でおおよその診断は得られます。
▽治療
抗真菌薬(ミコナゾールほか)の局所的・全身的投与。口腔清掃や義歯洗浄など口腔衛生状態の改善。原因の除去及び体力の回復。