口腔軟組織の先天異常と発育異常②
鹿児島市四元歯科 鈴木です。
口腔軟組織の先天異常と発育異常の2回目は舌の異常についてです。
1)大舌症(巨舌症)
舌が大きく歯列弓内に納まらない状態をいい、言語(発音)障害、摂食障害、または呼吸障害をきたすこともあります。また下顎前突症や開咬の原因となることもあります。舌はリンパ管種や血管腫などの腫瘍や、ダウン症候群にみられます。障害がある場合は舌縮小術を行います。
2)小舌症
先天性と後天性があります。後天性のものには舌腫瘍の切除後があり、舌が小さくなることにより言語(発音)障害、摂食障害や嚥下障害をきたします。
3)溝状舌 こうじょうぜつ(溝舌)
舌背部に多数の溝あるいはしわのある状態で、原因は不明ですが、口臭の原因となることがあります。ダウン症候群でもしばしばみられます。特に治療の必要はありませんが、炎症を伴う場合は舌の清掃だけではなく、口腔全体を清潔に保つことが大事です。
4)正中菱形舌炎 せいちゅうりょうけいぜつえん
舌背部の正中に楕円形または菱形の赤色斑としてみられるもので、原因は明らかではないですが、カンジダ感染によるものと考えられています。症状がなければ治療の必要はありません。
5)平滑舌
舌背部が平滑となり赤色で光沢を呈し、灼熱感を伴います。原因はあきらかではなく、舌乳頭萎縮、ビタミンB欠乏、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血(悪性貧血)などにみられます。原因が明らかなものは治療により改善しますが、難治性のものは対症療法を行います。
6)毛舌症(黒毛舌)
舌背中央部が黒色、白色、茶褐色、緑色などを呈する疾患で、黒色または褐色を呈するものを黒毛舌といいます。抗菌薬や副腎皮質ステロイド薬の長期使用により口腔内の口腔細菌叢が変化して(菌交代現象)生じるとされており、治療法には薬剤の中止または変更と、舌ブラシによる口腔清掃指導などがあります。