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小児にみられる口腔粘膜の異常⑦

鹿児島市四元歯科 鈴木です。

小児にみられる口腔粘膜の異常7回目は唇顎口蓋裂についてです。

唇顎口蓋裂は日本人の場合、約500人に一人の割合で発生する先天的な疾患です。唇顎口蓋裂児には、以下のような問題が生じます。

⑴哺乳障害
顎に裂があるために鼻咽腔閉鎖がうまくいかず、十分な哺乳ができません。このため口蓋(閉鎖)床を装着して裂部を閉鎖し、哺乳を助けます。出生後できるだけ早期から使用することが望ましく、床の使用は上顎の形態を整えるだけでなく、口腔機能の発達を促す効果も期待できます。

⑵審美障害
生後2~4か月頃に口唇形成術を、1歳6か月~2歳頃に口蓋形成術を行います。鼻の変形が残存する場合には、6歳以降に鼻翼形成術を施し、審美性の回復を図ります。

⑶言語障害
鼻咽腔閉鎖不全や口蓋残遺孔(口蓋形成術後に残った穴)などにより、構音に問題が生じます。特に幼児期における訓練が重要です。

⑷歯列不正
列の存在による直接的な影響に加え、上顎の発育障害のために歯列不正が生じます。

⑸耳鼻科疾患
口腔、鼻腔の閉鎖が不全ため中耳炎などの耳鼻科疾患が多いです。

⑹高いう蝕リスク
口唇口蓋裂児にはう蝕が多く、その理由としては
①裂周辺の歯に形成不全が多い
②歯列不正のため自浄作用が悪く、ブラッシング不十分になる
③口蓋床や矯正装置の装着による口腔衛生の不良
などの直接的原因と
①幼児期から形成手術を受けており、歯科医師に対する恐怖がある
②保護者の関心が裂のみに向かいがちで、甘味嗜好になる
などの間接的原因があげられます。
唇顎口蓋裂児では、歯列不正によってう蝕の修復処置が困難なことが多いです。う蝕により乳歯が早期喪失すると、歯槽骨の成長に影響するとともに、口蓋床や矯正装置の支台歯がなくなるなど、多くの問題が生じるので口腔保健管理は非常に重要です。


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