小児にみられるう蝕⑤ 乳歯う蝕の為害性
鹿児島市四元歯科 鈴木です。
小児にみられるう蝕5回目は乳歯う蝕の為害性についてです。
為害性とは体に影響を及ぼすものです。
乳歯う蝕の為害性は様々なものがあります。
⑴痛みを引き起こす
痛みは不快感だけでなく、集中力の欠如を引きこします。さらに、咬合痛(かんだときの痛み)は、小児の好き嫌いを引き起こすことがあります。
⑵永久歯う蝕の原因となる
う窩の存在はう蝕原性細菌の供給源となり、そのまま放置すればほかの乳歯だけでなく、萌出してくる永久歯にう蝕を発生させます。
⑶咀嚼機能の低下
う蝕によって歯の欠損が起こると咀嚼機能が低下します。また、う蝕による痛みは摂食意欲を減退させ栄養状態に悪影響を及ぼします。
⑷歯列不正や咬合異常の原因
う蝕による歯冠崩壊は咬合高径の低下(口角が下がったり口角びらんなど)、正中の偏位(上顎と下顎のズレ)などの咬合異常をもたらします。また、乳臼歯の早期喪失は第一大臼歯の近心移動を(手前の歯の方に移動する)誘発し、歯列不正の原因となります。
⑸永久歯への障害
乳歯う蝕が進行して根尖に病巣をつくると根尖近くにある永久歯胚の形成障害(ターナー歯)を引き起こすことがあります。
⑹発音障害や悪習癖の誘発
う蝕により切歯の崩壊や欠損がもたらされると発音障害を招くことがあります。また、抜歯による欠損は口唇や舌の悪習癖の原因となることがあります。
⑺全身疾患の原因となる
先天性心疾患がある小児では、感染性心内膜炎のリスク要因となります。
⑻心理的影響
前歯の欠損などが引き起こす審美障害は、小児の心理に影響を与えます。