歯周炎の種類⑦
鹿児島市四元歯科 鈴木です。
前回歯周病と全身疾患の関連で先天的因子のお話をしました。
今回は後天的因子についてのお話です。
後天的因子のほとんどが加齢とともに定着したさまざまな生活習慣に関連したものになります。
①喫煙
喫煙習慣は歯周疾患の発症と進行に最も大きな影響を及ぼす後天的な因子です。喫煙によって微小血管が収縮して血行障害を起こし、プラークなど病原因子の影響を受けやすくなります。
喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周外科治療などの創傷治癒能力が劣ることも報告されています。
②糖尿病
糖尿病にかかったグループでは、かかっていないグループに比べて歯周疾患の発症率と重篤度が高いことが知られています。糖尿病にかかっている患者は全身的な代謝障害を起こしており、一般的に感染症に対する抵抗力が低下しています。そのため、プラーク中の細菌による感染症である歯周疾患の発症。進行に関与し、また歯周治療後の治癒にも影響を及ぼしていると考えられています。
糖尿病にかかると治癒能力が劣るため、歯周病をよくしていくには糖尿病のコントロールも含めた全身的なアプローチを行うことが重要になります。
③ストレス
一般的にストレスが免疫応答を低下させることはよく知られています。歯周治療に対する反応性および予後は、ストレスのかかりやすい人の方が治りづらいということがいくつかの研究によって報告されています。まだ研究が必要なものですが、ストレスによって口腔内も影響されてきます。
④後天性免疫不全症候群
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染による白血球の機能不全により、免疫応答が低下している個人において重篤な歯周炎の発現がみられることがあります。また、末期の後天性免疫不全症候群(AIDS)患者では、歯周疾患のほか、口腔内にはカンジダ症やカポジ肉腫などが発現します。
⑤栄養障害
ビタミン摂取不足などの栄養障害により、歯周疾患の発症と進行に影響がみられることが知られています。しかし現在の日本ではそのような栄養障害はほとんどみられない状況です。ただし、要介護高齢者では栄養障害がみられるとの報告もあるので今後超高齢化社会を迎えるうえでは注意が必要になります。
⑥骨粗しょう症
閉経後の女性では、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの減少に伴い、骨吸収速度が骨形成速度を上回り、骨密度の低下を招き、骨粗しょう症にかかる頻度が増加していきます。骨粗しょう症患者では、歯周組織においても骨形成能の低下により、歯周疾患の病態の悪化を招いている可能性があります。