【歯石取りを自分でする際の注意点!】 安全なセルフケア方法とは?
歯磨きを丁寧にしていても、気が付いたらこびりついている「歯石」。歯ブラシでは取れないから、つまようじやスケーラーの先を使って、鏡の前でカリカリカリ・・・。
そんな、歯石をご自分で取ろうとしたことがある方・・・ちょっと待ってください!
実は、自分で歯石を取ることはとっても危険なのです。
ここでは、歯石の原因や、自分でできるセルフケアについてご紹介していきます。
そもそも、歯石はなぜできてしまうのか?
歯ブラシで磨いても取れない歯石ですが、初めからお口の中にある訳ではありません。痛みが無ければ放っておいてもいいかな・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、お口のトラブルにつながってしまうため、注意が必要です。
お口の汚れがガンコな歯石に変わるまで
食事をした後の食べかすに細菌が増殖すると、「歯垢」と呼ばれる細菌の塊になります。
「歯垢」の状態であれば歯磨きで除去することもできますが、
磨き残された歯垢が蓄積されていくと「歯石」になってしまいます。
「歯石」は、字のごとく石のように硬く、歯ブラシやつまようじで
取ることはできません。
歯石を放置することで生じるトラブルとは
歯石は、表面にところどころ小さな穴が開いてザラザラしており、<strong>細菌が付着・増殖しやすい状態</strong>です。お口の状態によっては、歯茎のふちより上の部分だけでなく歯茎の下の部分にも、歯石が付くこともあります。
歯石を放置してしまうと、次の4つのトラブルを招く原因となってしまいます。
歯周病を進行させる
歯石が蓄積して硬くこびりつくと、細菌が増殖していきます。
細菌たちは、歯を支えている顎の骨や歯茎などの組織を攻撃するため、「歯茎が腫れる」「食べ物が挟まりやすくなる」「歯がぐらつく」といった歯周病の症状が現れる場合も。歯周病が悪化すると、歯を失うリスクも高くなります。
虫歯の発見が遅れる
お口の中に汚れが溜まっている状態は、細菌たちにとって最高の環境です。腫れた歯茎や歯と歯の間などの見えにくい部分に歯石が付いてしまうと、歯石が邪魔をして虫歯の発見が遅れる可能性が高くなります。
口臭
歯石が蓄積することで、歯茎に炎症が起こります。歯茎の腫れた部分には、磨き残しも溜まりやすいため、お口の中の細菌が増えて口臭の原因となります。また、歯周病が進行すると、歯周病特有の口臭がすることも。
被せもの(クラウン・ブリッジなど)の治療に影響がでる
実は、歯石によって歯茎が腫れていると、ぴったりと正確な被せものを作ることができません。「すぐに外れてしまった」「歯茎が腫れた」などのトラブルが起きてしまいます。
近年増えている「セルフケア」は安全なのか?
「歯石は取りたいけど、歯医者に行くのは億劫・・・じゃあ自分でやれないかな?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。しかし、セルフケアをする上ではいくつか注意点があります。
自分で歯石を取る「リスク」とは?
歯や歯茎を傷つける可能性が高い
見えにくい口の中を慣れない器具を使って、歯と歯の間の硬い歯石を取るわけですから、「器具の扱いミス」によってケガをしてしまう方も実際にいらっしゃいます。
歯石がより付きやすくなる可能性が高い
プロの歯科医師や歯科衛生士も、自分自身でセルフケアをする方はほとんどいません。
それは、「自分で歯石をきれいに取りきることは難しい」と知っているからです。中途半端に残ってしまった歯石はデコボコとした表面となり、更に歯石が付きやすい状態になってしまいます。
プロに任せるのが最善の選択
ご自身での歯石取りをおすすめできない理由は、もう1つあります。
それは、歯の汚れ・歯石を完全に取り除くには<strong>歯科医院での専用の機器が必要</strong>だからです。
奥歯や歯茎の下についた歯石は、自分では分からないため蓄積される一方に・・・。
歯石取りのことは、リスクが高いセルフケアよりも専門家である<strong>歯科衛生士にお任せする</strong>のが、キレイなお口への一番の近道ではないでしょうか。
歯医者さんで行う歯石取り・クリーニングの流れ
では、実際に歯科医院ではどのようなことをするのでしょうか?
1)検査
現状のお口の状態を把握するために、レントゲンや専用の器具を用いて検査を行います。
(顎の骨の状態、歯のぐらつきの有無、歯茎の状態のチェック、など)
虫歯の有無、歯周病の進行具合などを様々な角度から診断し、あなたにあった治療プランを立てていきます。
お口の状態によっては、虫歯の治療や歯周外科処置などを優先して進めることもあります。
2)歯石の除去
超音波スケーラーという専用の機器を用いて、全体的に歯石を除去していきます。
硬くこびりついた歯石は、一度では取りきれないこともあるので
通院が数回かかることもあります。
また、歯茎が腫れていると、歯石が隠れてしまって除去できないこともあります。
その場合は、歯茎の腫れが落ち着くのを待ってから、しっかりと除去していきます。
クリーニング
歯石を取り除いた後は、歯の表面を専用のブラシできれいに磨き上げます。こうすることで、細菌が作る膜を除去して歯石が付きにくい状態にしていきます。
また、歯石予防には「毎日の歯磨き」が効果的です。歯科衛生士が、あなたのお口にあった歯ブラシや歯磨きの仕方を、丁寧にアドバイスしてくれるので参考にしてみてくださいね。
歯石は無理に触らず、まずは日々の習慣やブラッシングから見直しを!
歯石がついてしまったら、ご自身で取ろうとするよりも、歯科医院で取ってもらう方がより安全です。
しかし、歯石を付きにくくするためにご自身で出来ることはあります。
それは、<strong>「食べ物をしっかり噛むこと」</strong>と<strong>「正しい歯磨き」</strong>。
食べ物をよく噛むことで歯の汚れが落ちやすくなり、唾液による『自浄効果』が期待できるのです。
また、硬い歯石になる前の「やわらかい歯垢」の段階で正しい歯磨きが出来ていれば、磨き残しも少なく歯石がこびり付いていくことを予防できます。
これからもずっと健康な歯と歯茎を保つためにも、<strong>歯石除去は必須!</strong>
あなたも、<strong>日々のセルフケア</strong>と<strong>歯科医院での定期的なクリーニング</strong>を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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