口腔粘膜の病変㉒
鹿児島市四元歯科 鈴木です。
口腔粘膜の病変 色素沈着を主張とする疾患の続きです。
▼悪性黒色腫 あくせいこくしょくしゅ
色素産生細胞(メラノサイト)ががん化したもので、早期に全身何処の臓器にも転移を起こす予後不良の悪性腫瘍です。皮膚に好発し、口腔粘膜には全症例の約10%が発生します。口腔では硬口蓋部が多く、次いで上下額の歯肉部です。口腔に原発した場合は早期に頸部リンパ節転移が起こります。一方、比較的悪性度が低く、口腔に限局したまま浸潤発育が遅いタイプもあります。
①診断
色素性母斑やメラニン色素沈着との鑑別が重要です。歯肉のメラニン沈着も多い疾患なので診断を確定せず安易にレーザーなどで処置をするのは危険です。
通常のメラニン色素沈着と比較して、境界不明瞭な深みのある黒褐色病変としてみられます。腫瘍外形は扁平隆起、腫瘤、肉芽様など多彩で、その周囲へは黒褐色の色素が染み出すように見られ、点状または小斑状の黒褐色斑が衛星病変(最初に発生した腫瘍が転移して2cm以内に新たに発生した腫瘍のこと)として認められます。
②治療
進行した悪性黒色腫に対して、外科療法、抗がん薬による化学療法、リンパ球などを使った免疫療法、および放射線療法などいろいろな手段を組み合わせた治療が行われます。