ライフステージ⑱
鹿児島市四元歯科 鈴木です。
ライフステージ18回目は老年期のプロフェッショナルケアについてです。
①残存歯
老年期は成人期に比べ咀嚼機能(物をとらえて嚙む動作)が低下し、薬物の服用による唾液分泌量の低下により、残った歯の根面(歯と歯茎の境目あたりの部位)のう蝕感受性(虫歯になりやすい)が高くなります。
歯磨きをする際は歯と歯茎の境目を意識して磨くことが非常に大事になります。
②歯周組織
高齢者は薬の服用率が高く、薬剤(降圧剤の服用)の副作用による歯肉増殖が認められる場合があります。
歯肉増殖がしづらい薬はないか医科の先生と相談してみるといいでしょう。
③口腔軟組織
老年期は、成人期に比べて口腔内における前がん病変(将来がんになる恐れのあるもの)の発現度が高くなる時期です。また、免疫力の低下により口腔カンジダ症、口角びらん症などが発症しやすいです。
自分では気づきにくい病気もありますので定期的な検診で口腔内をチェックしてもらいましょう
④補綴装置
老年期は、喪失した歯の機能や審美性を回復することを目的として、補綴装置、特に義歯の使用が開始される時期です。義歯を入れたからすぐに食事ができるというわけではなく、以下の注意点があります。
⑴はじめは歯や歯肉に対する締め付け感、義歯に対する違和感などの不快症状が現れますが、多くの場合は慣れるに従って消退します。
⑵食事はやわらかいものや細かく刻んだものから少しずつよく噛んで摂取しましょう
⑶装着時は水で濡らし、鏡を見ながら取り外しの練習をしましょう
⑷毎食後義歯を外して義歯、残存歯(特に義歯をかける歯)、粘膜の清掃をしましょう。義歯の清掃は落としても大丈夫なように水を張った容器の上で行うと安全です
⑸粘膜を休めるため、原則的に夜間は義歯を外して水や義歯洗浄剤の中に保管しておきましょう
⑹義歯が使えるようになるためには数回の調整が必要です。自分で削ったり、曲げたりしないで歯科医師に調整してもらいましょう
⑺加齢により顎堤(歯ぐき)の状態が変化してくるため、定期的な検査と調整が必要になります
⑤口腔乾燥症
唾液は、健康な口腔を形成する硬組織と軟組織を維持するうえで重要であり、1日に役1~1.5L分泌されます。分泌量が低下すると咀嚼障害、嚥下機能(飲み込む動作)、発音障害、義歯の維持力低下、自浄作用の低下など多くの問題が生じてきます。口腔乾燥の原因は病気などの症状として起こるもの(膠原病、糖尿病、ストレス、脱水など)と薬の副作用によるものがあります。治療としては原因となっている全身疾患、生活習慣や服用薬剤を改善する原因療法と、唾液分泌低下や口腔乾燥感による口腔症状の改善を行う対症療法があります