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歯科座学 417 口腔外科 10

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 10についてです。

軟組織の外傷について。

口や顔の軟らかい部分、いいかえれば皮膚や粘膜にみられる外傷の総称です。また、顎骨(がっこつ:あごの骨)の骨折にもしばしば合併します。代表的なものとしては、顔面皮膚のすり傷(擦過傷:さっかしょう)、口唇(こうしん)の裂傷、舌や頬粘膜(きょうねんまく)の咬傷(こうしょう)、軟口蓋(なんこうがい)の穿孔(せんこう)があげられます。

【原因】

転倒、転落、交通事故、スポーツ、けんか、誤って噛む(咬傷)などがあげられます。また、幼児が
箸(はし)などをくわえて転倒した時には口蓋の穿孔をおこすことがあります。

【症状】

共通する症状としては、出血があります。受傷時にはかなりの出血がみられますが、太い血管を直接損傷しないかぎり、圧迫や時間経過とともに止血するのがふつうです。一方、腫れや痛みは時間経過ともに強くなります。交通事故では、傷のなかにガラス片や金属片などの異物が混入していることがあります。知覚神経が切断されると麻痺(まひ)が生じたり、顔面神経を傷つけると顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ:顔の筋肉が動かなくなる)が生じます。時間の経過とともに感染がおこり、傷が汚くなることがあります。

治療
出血している場合には、まず清潔な布やガーゼで傷口を圧迫して止血を行います。そして医師や歯科医師の診察を受け、消毒後、縫合(ほうごう)処置を受けます。傷のなかには異物が混入していることもあるため、縫合の前には精査が必要です。
処置後は、感染を予防するために、抗菌薬を服用する必要があります。感染すると、治癒後傷あとが目立つようになります。土で汚染された傷では、破傷風(はしょうふう)を予防するための処置を要すこともあります。

では、本日の歯科座学でした。


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