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歯科座学 425 口腔外科 18

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 18についてです。

悪性リンパ腫について。

悪性リンパ腫は、リンパ系の組織から発生する腫瘍(いわゆる“がん”)です。悪性リンパ腫は病理所見から、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別されます。また、腫瘍細胞の性格から、T細胞性、B細胞性、NK細胞性に分類されます。日本人の悪性リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫が圧倒的に多く、かつB細胞性リンパ腫が多いのが特徴です。

悪性リンパ腫では、リンパ節に発生したものを節性、リンパ節以外の臓器組織に発生したものを節外性と区別していますが、わが国では節外性リンパ腫が40~50%を占め、組織学的にはび漫性大細胞型B細胞性リンパ腫が多く、ホジキンリンパ腫や濾胞性(ろほうせい)リンパ腫はまれです。

顎口腔領域では節外性リンパ腫の占める割合が高く、歯肉、上顎洞、顎骨に多くみられます。その臨床症状は多彩で、腫脹あるいは腫瘤、潰瘍を形成したり、疼痛、歯の動揺、鼻づまりなどを伴いますが、これらは悪性リンパ腫に特徴的な所見ではないため、生検(せいけん)による組織診断が不可欠です。節性では頸部や顎下リンパ節が無痛性、孤立性あるいは多発性に腫大します。これらは急速に腫大し、大きな腫瘤となります。また周囲組織と癒着したり、極度に増大すると嚥下(えんげ)障害や呼吸困難などの症状を呈します。

治療は、血液内科などと共同で複数の抗がん剤による化学療法や放射線治療が単独あるいは組み合わせで行われます。
では、本日の歯科座学でした。


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