1. 四元歯科(鹿児島市)
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歯科座学 412 口腔外科 5

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 5についてです。

骨折の治療について

重症な場合には、まず生命の維持に必要な全身的な処置や他の部位の外傷を優先的に処置します。顎骨骨折に対しては、まず応急的な処置として出血のみられる場合には止血し、二次的な感染を予防するために抗菌薬、痛みに対しては消炎鎮痛薬を投与します。顎骨骨折の多くは手術が必要です。
手術では、骨折してずれた骨を正しい位置に戻して固定します(整復固定)。整復固定(せいふくこてい)には観血的方法と非観血的方法があります。観血的方法では、手術的に骨折部を露出して整復し、骨折部を金属プレートや吸収性プレートあるいは金属線で固定します。非観血的方法では、骨折部が癒合するまで上下の歯を噛み合わせた位置で上顎と下顎を固定します(顎間固定)。顎間固定(がっかんこてい)の期間は病院や治療法によって異なりますが、通常は数週間です。この間、口は開けられず、食物を噛むことができないため、経管栄養や栄養価の高い流動食を経口で摂取することになります。

では、本日の歯科座学でした。


歯科座学 411 口腔外科 4

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 4についてです。

骨折について

顔面はいろいろな原因で外傷を受けやすい部位で、上顎骨骨折や下顎骨骨折のほかに頬骨骨折、頬骨弓骨折、鼻骨骨折もみられます。

【原因】

最も多い交通事故をはじめ、作業事故やスポーツ外傷、さらに転倒やけんかなどが主な原因となります。一方、まれに、顎骨(がっこつ:あごの骨)内に生じた嚢胞(のうほう)や腫瘍(しゅよう)により健常な骨が吸収されて薄くなって生じる病的骨折もあります。

【症状】

骨折の部位や程度により、局所症状は異なります。しかし、共通の症状としては、骨折部の痛み、腫れがあげられます。また、出血による皮膚や粘膜の変色や顔面の変形、開口障害、咬合(こうごう:噛み合わせ)の異常とそれに伴う咀嚼(そしゃく)障害などがあげられます。歯の破折や脱臼(だっきゅう)を伴うこともあります。上顎骨骨折では頭蓋底(とうがいてい)骨折を合併することがあり、この場合、脳損傷をおこし、脳脊髄液(のうせきずいえき)の漏出をみることもあります。骨折が上顎洞壁に及ぶと鼻出血を、眼窩に及ぶと眼球突出(がんきゅうとっしゅつ:眼がでっぱること)や視覚障害をきたすことがあります。

全身症状としては、意識の喪失、ショックのほか、鼻や口からの出血などで呼吸困難をおこすことがあります。

では、本日の歯科座学でした。


歯科座学 410 口腔外科 3

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 3についてです。

歯性上顎洞炎について

上顎のう蝕(むし歯)や歯周病をひき起こした細菌による炎症が上顎洞(じょうがくどう)に波及することがあります。これを歯性上顎洞炎(歯が原因の蓄膿症)と呼びます。上顎洞は上顎の歯根と接近しているため、う蝕(むし歯)や歯周病を治療しないで放置していると、歯性上顎洞炎になることがあります。

急性の場合には、歯痛に続いて、悪臭を伴う膿を含む鼻汁や頬部の痛みがでます。慢性の場合には、歯の痛みは比較的少ないようです。鼻性は両側にみられますが、歯性は片側だけに起ることが多いようです。 上顎洞炎の治療と原因歯であるむし歯や歯周病の治療を同時に行う必要があります。

では、本日の歯科座学でした。


歯科座学 409 口腔外科 2

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 2についてです。

顎骨炎

う蝕(むし歯)が進行すると、歯髄の炎症である歯髄炎(しずいえん)をおこします。歯髄炎の後、歯髄壊疽(しずいえそ)をおこし、根尖孔を通じて感染が歯周組織へと広がった状態を根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)といいます。 根尖性歯周炎は、歯根の尖端部周囲に限局した炎症ですが、進行すると、歯槽骨炎(しそうこつえん)やさらに広範な顎骨炎などに進展します。感染の広がりとともに症状も顕著となり、局所の発赤(ほっせき)や腫脹(しゅちょう)、疼痛(とうつう)に加えて、発熱などの全身症状を伴うようになります。

重症例では、感染は顎骨(がっこつ:あごの骨)から周囲の口底や顎下部、頸部へと波及し、急性の化膿性炎症(かのうせいえんしょう)をおこします。これを蜂窩織炎(ほうかしきえん)といいます。さらに重症な場合、上顎では眼窩(がんか)や脳へ波及したり、下顎では頸部を経て縦隔炎(じゅうかくえん)をおこしたり、まれに、最も重症である敗血症(はいけつしょう)をおこして致命的となることもあります。 このような感染の重症化は糖尿病(とうにょうびょう)などのように免疫力が低下している状況でおこりやすくなります。

では、本日の歯科座学でした。


歯科座学 408 口腔外科 1

皆さん、こんにちは。
鹿児島市 加治屋町 四元歯科の院長 渡辺です。

本日は、口腔外科 1についてです。
膿瘍について

組織のなかに膿がたまった状態のことを膿瘍といいます。う蝕(むし歯)や歯周病(歯槽膿漏 しそうのうろう)など歯が原因で感染し炎症をおこしてできる場合がほとんどで、膿汁内には白血球や感染菌の残骸、組織の破壊・壊死物質、滲出液の混ざったものが含まれます。できた場所により、歯槽膿瘍、頬部膿瘍、顎下膿瘍、口底膿瘍などと呼ばれます。

では、本日の歯科座学でした。


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